論文執筆のための実戦的方法

これまで教えてきた論文執筆に必要なことを書いていきます。

雑話

仮説とは

論文執筆においては、「仮説」が重要になってくるのですが、特に間違えやすいのは、論文における「仮説」の理解です。 「仮説」は、 「こういった答えが導き出されるだろう」 というものです。ここは、皆が理解しており、相違はありません。 では論文になっ…

「、」を使うな。「。」を使え

論文を執筆する際の文章のテクニックです。 色々試しましたが、これが一番効果的な指示だと思います。 論文は比較的長めの文章を書くことが多くなります。そのため、「、」を多用し一文が長くなりがちです。 では、「、」を使うな。「。」を使え となるのか…

主観と客観

論文において、 主観はほとんど書くところがありません。 大部分が客観で構成されているはずです。 ちょっと待ってよ、論文って 「自分の主張を書くものではないの?」 と思いますよね。 確かにその通りです。 なんか、一見矛盾しているように思いますが、、…

タイトルなんて最後に考えればよい

論文にはタイトルが必要ですが、、、 これは最後に考えればよいことです。 最初から、あれこれ悩む必要はありません。 タイトルは、論文の一番短い要約です。 論文の中身を 適切かつ的確に示すもの であるべきなのです。 大学の先生が論文を評価するときも、…

集めることと、捨てること

論文を書くために必要な能力は? と考えてみた場合、 集める 捨てる この二つに集約されます。 論文、資料を集めること 最初の段階ではこれが重要です。 勿論、体力もいりますが、、、 どこにどういう資料があるかという抽斗を もっているかどうかにも関わっ…

論文に書かれていることが絶対とは限らない

論文は、証拠をもって書き進めるため、 基本的に間違っているということはないように感じます。 しかし、 数は多くはありませんが、 間違っている場合があります。 私が遭遇した事例では、 業界全体の製造フロー図がどう考えてもおかしかった。 その業界の研…

先行研究がないことはない

時たま遭遇したのですが、、、 堂々と、 「先行研究はありません」と言い切る方。 残念ながら、こういった方は、非常に勉強不足の方が多かった。 私がやっているのは最先端の研究なので、とは言いますが・・・ そもそも、研究ということ自体、 これまでの過…

定性と定量 

演繹法と帰納法について書いたので、 ついでに、定性と定量にも触れてみましょう。 これは、 定性でなければならない とか、 定量でなければならない ということは一切ありません。 定性でしか書けないこともあれば、 定量でしかできないこともある。 ただ、…

演繹法と帰納法

論文を書く際の方法論として取り上げられることが多いですが・・・ どちらがよいかどうかとか、 論文書く前に悩んでいたりする人がいるのですが・・・ 正直、 どうでもよいことです なぜならば、 内容によって、 演繹法で書いた方がよい場合とか、 帰納法で…

「やりたいこと」と「できること」

論文でいろいろ相談にのってきましたが、、、 困った人は、たまにはいるものです。 一番困るのは、 「やりたいこと」と 「できること」の区別がつかない人です。 論文の場合、論証しなくてはなりませんので、データなり資料がないと 論証できません。 という…

文字数なんて怖くない -どうやって短い論文にするか-

論文の執筆要項を見て、まず恐怖を感じるのが文字数です。 5万字以上(A4で50枚程度ですね)とか見てしまうと、 不安になると思います。 そりゃね。 5万字も自分だけの言葉で埋めるというのは至難の技ですよ。 (もしくは、小説家とかですね) しかし、論文…

論文執筆のスケジュール

そういえば、全体のスケジュールについての話をしていませんでしたね。 論文執筆は、スケジュールをちゃんと管理しないといけないのにね。 ということで、スケジュールのお話です。 大体どこの大学であったとしても、1月から2月に提出ということになっている…

論文を書くのに絶対にやってはいけないこと -引用元はしっかり記載しよう-

絶対にやってはいけないこと。 それは、、、 盗作・剽窃行為 です。 盗作・剽窃行為とは、 他人の著作から、部分的に文章、語句、筋、思想などを盗み、自作の中に自分のものとして用いること。(ブリタニカ国際大百科辞典より) です。 仮に大学教授が盗作・…

論文を読みか読まないかを決める要素

ある日、先生(もちろん教授です)と話をしていたところで、 論文の話になりました。 その先生曰く、 その論文を読むか読まないかは、 1分以内に決められる、というのです。 つまりは、その時間でその論文の価値がだいたいわかるということです。 そのポイン…

論文という名の「随筆」

論文は、自分の意見を表明するものです。 しかし、よく出会ったのは 「随筆」を論文と言い張る人 です。 それも、 こころにうつりゆく よしなしことを、 そこはかとなく かきなぐった ものです。 正直、独りよがりで読むに堪えないものが多かった。 (読む側…