論文執筆のための実戦的方法

これまで教えてきた論文執筆に必要なことを書いていきます。

論文に書かれていることが絶対とは限らない

論文は、証拠をもって書き進めるため、

基本的に間違っているということはないように感じます。

 

しかし、

数は多くはありませんが、

間違っている場合があります


私が遭遇した事例では、

業界全体の製造フロー図がどう考えてもおかしかった。

その業界の研究を行う場合には絶対出てくる有名なフロー図だったのですが、
業界関係者としての認識では、

そういう場合もあるけど一般的ではない。

というものでした。

 

しかし、これが、学術の世界においては

この業界の製造フロー図の一般的なものとして

認識されているのです。

 

「おかしいなぁ」、と思いながら、

原典にあたっていると、

そのフロー図が最初に示された図にたどり着きました。

 

そこで判明した事実は、

業界のあるセグメントだけを対象にした

調査におけるフロー図だったのです。

 

そのセグメントであれば、確かに製造フロー図はそうです。

間違ってはおりません。

 

ただし、一般的な業界全体としてのフロー図では不適切です。

 

これは、

様々な引用されるうちに

情報が抜け落ちて、

情報が抜け落ちた状態のまま、

一般認識されてしまった

 

という事例です。

 

ということで、必ずしも論文で記載されているということが、正しいとは限らないという事例でした。

 

そのため、原典にあたるという行為は重要です

また、自分が書くのにその事例が不適切ならば、

註か何かで指摘した上で、正しいものを自分で作ってしまいましょう。