論文執筆のための実戦的方法

これまで教えてきた論文執筆に必要なことを書いていきます。

論文という名の「随筆」

論文は、自分の意見を表明するものです。

 

しかし、よく出会ったのは

    「随筆」を論文と言い張る人

です。

 

それも、

    こころにうつりゆく

       よしなしことを、

        そこはかとなく

           かきなぐった

ものです。

 

正直、独りよがりで読むに堪えないものが多かった。

(読む側にとっても苦行でしかありませんでした)

 

確かに、文章は自分が感じるものを文章をしたものであり、自分の意見を表明するものではありますが、とはいえそれがすべて論文か?と言われればそうではないと思います。

 

論文で書いていて思うことは、

「論文」には決まり事がある。

ということです。

 

構成上、先行研究は当然必要です。

記載の方法も執筆要項に記載されています。

それ以外にもいろいろあると思います。

 

それを理解せずに、自分の意見をかきなぐった随筆は当然のことながら、論文として評価されません。

 

 

量をこなさないと質はわからない -必要な無駄と本当の無駄-

これは、経験則に基づくものです。

 

「量をこなさないと質はわからない」

 

誰しも無駄なことはしたくありません。

しかし、その無駄かどうかが判断できないのが本当です。

そのため、質がわかるようになるまで、量をこなすしかありません。


量をこなすということは、もちろん無駄が発生します。

具体的には、論文執筆に関係ない論文も読むことになります。


しかし、これは

     必要な無駄 です。

 

量を読むことで、自分の論文に必要なものかどうかが

判別することができるようになります。
また、最終的には自分の論文には関係なかったとしても、

論文の構成や参考文献の捜索などにも役に立つことが多いです。

 

一方で、

 

本当の無駄は、最初から質を求めてうろうろ彷徨う行動

 

です。                            

この行動はとにかく時間を浪費してしまいます。

 

できる限り効率的にとは誰しも思います。
しかし、効率的に物事を進めるには、その準備期間として必要な無駄を積み重ねないといけないのです。

 

だから、暫くの間は、量を追いましょう。

(つまり、論文をたくさん読むということです)

ひたすら集める えっ、何を?

ここからは行動です。

 

まずはひたすら集めましょう。

って、何を集めるの?

 

「論文」を集めるのです。


いわゆる、先行研究と言われるものです。

大学の先生や研究者の人たちは、日々研究を行い、たくさんの論文が

発表されています。

 

自分のテーマに近い(近そうな)論文を読むこと

 

これは論文執筆には必須です。

 

そこで、この先行研究である論文を集めることがやるべきことです。

それも、1つや2つという話ではありません。

関連するだろうと思われるものを、可能な限り集めてくるのです。

(頭は使いませんが、体力は必要です)

 

やり方は簡単です。

 

まずは、集めないといけない論文のリスト作りです。

とはいっても、難しくありません。あるサイトで検索するだけです。

 

国立情報学研究所の「cinii」

 http://ci.nii.ac.jp/

これはすごいサイトで、なおかつ無料で使えます。

 

日本の論文を網羅したデータベースですから、

キーワード検索で論文を引っ張ってくることができます。

検索した結果をプリントしたら、リストが完成です。

 

そこで、「ぼんやり」と決定したテーマのキーワードを入れてみましょう。
そうすると、沢山の論文や参考書籍のデータが抽出されます。

 

ここで出てきたリストを元に、その論文や文献を集めます。

具体的には、大学の図書館とか、国会図書館などに行って、論文をコピー等を入手します。

(読むだけではダメです。後で必要となりますのでコピーなどで手元に置きましょう)

 

目標は、

         とりあえず、50文献

 

えっ、それって無駄な論文も読むということ?
となりますが、それは次回説明します。

テーマは「ぼんやり」の状態で走り出す

みなさん、執筆要項は手にいれましたか?

簡単なことですので誰でもできることです。

 

さて、第一のハードルを越えたので次にいきましょう。

 

論文執筆にあたっては、「何を書くか」は非常に重要です

 

しかし、論文となるテーマを最初にうんうん考えてもおそらく時間の無駄です。

なぜならば、「何が論文のテーマとして認められるか?」がわからないからです。

 

おそらくですが、この記事を読んでいる人のほとんどは、

私はこのテーマといって決めたところで、論文とならないことのが多いでしょう。

 

では、どうしたらよいか。


とりあえず、

    「方向性だけ決める」

                           ということです。

 

例えば、「アパレル産業のマーケティング」 くらいの「ぼんやり」したテーマから始めてしまえばいいのです。

 

正直このテーマでは、「アパレル産業のマーケティング」というタイトルで論文を書ききれません。(一生かかっても書ききれないんじゃなかなぁ?)


実際には、「アパレル産業のマーケティング」から調査を始めて、だんだんテーマが絞られてくるはずです。

 

しかし、

 

絞り方が解らない状態で、悩んで時間を浪費するのはもったいない。

 

そのためには、「ぼんやり」したテーマを決めたら、行動に移しましょう。

一番最初にやること -ちゃんとやっていますか-

論文を書くにあたって一番最初にやること、それは・・・


執筆要項を入手すること


なんだ、当たり前じゃないと思いますよね。
これ案外、皆さんやらないんですよね

読んでいても文字数とかその程度。
確かに文字数も重要です。

 

しかし、

「どのような決まりを守って

       執筆しないといけないか」

これはすごく重要です。

 

例えば、文章のフォント、章番号の付け方、文字サイズやフォント、
更には、註の付け方、参考文献の提示の仕方 などなど。

 

まぁ、後からやればいいじゃん!!って思うかもしれませんが、、、
実際には提出間際は瀬戸際で
「そんなことまでやってられない!!」という状況になりかねません。

 

もっと言いましょう。


論文の審査にあたっては、

お作法「形式要件」ができていないと、

         思いっきり叩かれます

せっかく、苦労して書いたのに中身ではなく、

お作法でケチつけられるのも嫌ですよね。

時間切れで、こんな簡単な事ができないのはもったいないです。

 

やることは、簡単です。

「執筆要項を手にいれること」

そして、ワードなどでページレイアウトなどは設定してしまいましょう。

まずは、ここからスタートです。

はじめに - 論文を書くための必要な行動-

数年前、社会人大学院生をしていました。

 

昼間は勤務してますから、時間は限られています。
そこで、我流の方法論で論文を執筆しました。

(もちろん、いろんな情報調査はしましたよ)

その後、論文執筆でどういう行動したかを同期や先生と話をしていたら、

翌年から、後輩に論文の書き方を教える立場になってしまいました。

(もちろん、先生からのオーダーです)

 

私が教えたのは行動の仕方です。

 

(論文を完成させるためには)

どういう行動をしなくてはいけないか?

 

それも、本格的な論文を書くのは初めてという人向けです。

 

この情報がなぜ必要か?

実は、論文執筆の情報はありますが、どういう構成でとか
こういう文章を、みたいなものはたくさんあるのです。

しかし、どういう行動をすべきか、というものは皆無でした。

結局、みな間違った行動、もしくはどうしたらよいか迷ってしまい、
時間の浪費をしている場合が多いのです。


論文執筆の実戦的方法論とは、、論文執筆にあたってどういう行動をしていかないといけないのか?
ということに焦点を当てるつもりです。


論文を書くのに苦しんでいる人の助けになれば幸いです。

 

※この内容は、経営学系の論文を書くのに編み出した方法なので、他の分野にも応用で

 きるかどうかはわかりません。