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論文執筆のための実戦的方法

これまで教えてきた論文執筆に必要なことを書いていきます。

主観と客観

雑話

論文において、

 

主観はほとんど書くところがありません。

 

大部分が客観で構成されているはずです。

 

ちょっと待ってよ、論文って

 

「自分の主張を書くものではないの?」

 

と思いますよね。

確かにその通りです。

なんか、一見矛盾しているように思いますが、、、

 

これは間違いではありません。

論文は自分の主張を書くものですが

主観とは別ものなのです。

 

論文において、主観が書ける部分は限られていて

 

・研究動機

・結論の後の考察の一部

 

くらいです。

 

研究動機は、自分がなぜこの研究をして論文を書こうと思ったのかを記載するところですが、これは自分がこう思ったということを記載するのですから、主観以外なにものでもありません

 

結論の後の考察の一部は、結果に基づいてどう考えるかというのを客観的に書くものですが、そこには主観が混じらなければ書けない場合もあります

 

論文は、

自分の主張を客観的な史実に基づいて主張するというもの

ですから、

主観で構成できる部分は少ないのです。

 

タイトルなんて最後に考えればよい

雑話

論文にはタイトルが必要ですが、、、

 

これは最後に考えればよいことです

 

最初から、あれこれ悩む必要はありません。

 

タイトルは、論文の一番短い要約です。

 

論文の中身を

適切かつ的確に示すもの

であるべきなのです。

 

大学の先生が論文を評価するときも、タイトルが一番最初でしたよね。

 

ronbunjissen.hatenablog.com

 もちろん、執筆中に浮かんでくることもありますが・・・

 

最初から考える必要はないのです。

 

 

集めることと、捨てること

雑話

論文を書くために必要な能力は?

と考えてみた場合、

 

集める

 

捨てる

 

この二つに集約されます。

 

論文、資料を集めること

最初の段階ではこれが重要です。

勿論、体力もいりますが、、、

どこにどういう資料があるかという抽斗

もっているかどうかにも関わってきます。

他にも、情報を集めるための人的ネットワークなども同じです。

 

一方で、捨てることは、

取捨選択して、必要なものを残す作業

です。

 

これは、集めるよりも高い能力が必要です。

何せ、捨てるためには合理的な理由がいります。

単純に引用に使えるかどうか、というだけではありません。

 

文章を書いていくにしたがって、テーマを絞っていかないといけませんが、

これも同様に「ここの分野は●●の理由で、今回には関係ないから」と理由をつけて

絞る必要があります。

 

つまり、合理的に捨てる技術が必要なのです。

 

実際の執筆については、非常にテクニカルな技術なものです。

ここでの良し悪しよりも、

 

「集めることと、捨てること」

この技術が何よりもよい論文を書くには大切なことです。

 

論文に書かれていることが絶対とは限らない

雑話

論文は、証拠をもって書き進めるため、

基本的に間違っているということはないように感じます。

 

しかし、

数は多くはありませんが、

間違っている場合があります


私が遭遇した事例では、

業界全体の製造フロー図がどう考えてもおかしかった。

その業界の研究を行う場合には絶対出てくる有名なフロー図だったのですが、
業界関係者としての認識では、

そういう場合もあるけど一般的ではない。

というものでした。

 

しかし、これが、学術の世界においては

この業界の製造フロー図の一般的なものとして

認識されているのです。

 

「おかしいなぁ」、と思いながら、

原典にあたっていると、

そのフロー図が最初に示された図にたどり着きました。

 

そこで判明した事実は、

業界のあるセグメントだけを対象にした

調査におけるフロー図だったのです。

 

そのセグメントであれば、確かに製造フロー図はそうです。

間違ってはおりません。

 

ただし、一般的な業界全体としてのフロー図では不適切です。

 

これは、

様々な引用されるうちに

情報が抜け落ちて、

情報が抜け落ちた状態のまま、

一般認識されてしまった

 

という事例です。

 

ということで、必ずしも論文で記載されているということが、正しいとは限らないという事例でした。

 

そのため、原典にあたるという行為は重要です

また、自分が書くのにその事例が不適切ならば、

註か何かで指摘した上で、正しいものを自分で作ってしまいましょう。

 

 

次に読むべき論文

論文かくためにやること

最初に集めた論文を全部読んだら、

先行研究調査が終わり、ということありません。

 

読まなければならない論文は次から次に出てきているはずです。

 

その次に読むべき論文をどんどんこなして行かなければなりません。

 

では、その論文とは、

1) その分野ではずしてはいけない論文
2) 先に読んだ論文のうち、引用されている論文

 

1)については、前記事を参考にしてください。

ronbunjissen.hatenablog.com

2)は論文の遡り行為です。

  
 研究において、

 「原典にあたる」

  というのは、基本行動原則です。

 

そのため、

「ここ使えるな」と思った文章が引用であった場合には、

その論文も手に入れて読みましょう。


「原典にあたる」ということは非常に重要です。

先行研究がないことはない

雑話


時たま遭遇したのですが、、、

 

堂々と、

「先行研究はありません」と言い切る方。

 

残念ながら、こういった方は、非常に勉強不足の方
が多かった。

 

私がやっているのは最先端の研究なので、とは言いますが・・・

 

そもそも、研究ということ自体、

これまでの過去様々な人の業績の上に成立している

という前提条件があることを理解していれば

そのような発言は出てこないはずなのです。

 

確かに、自身がやりたいとすることの内容が、

他者がやっていないというのは重要なことです。

そこが、研究の価値であり、論文の価値でもあるわけですから。

 

しかし、それを証明するには、

 

「過去、これだけの研究者が研究してきたが、

             まだこの研究ありません」

 

と証明しなくてはなりません。

 

これを証明するには、

過去から現在までの類似研究を全部調べたという実績

がないと言い切れません。

 

つまり、過去の研究(つまりは先行研究)が存在することとなりますので、
先行研究がないということは、ありえないことなのです。

定性と定量 

雑話

演繹法帰納法について書いたので、

ついでに、定性と定量にも触れてみましょう。

 

これは、

   定性でなければならない

とか、

   定量でなければならない

 

ということは一切ありません

 

定性でしか書けないこともあれば、

定量でしかできないこともある

 

ただ、それだけのことです。

 

ただし、定性と定量ではメリット・デメリットがあります。

 

定性

<メリット>

特に文章を書くだけなので、特殊な技術は必要なし

<デメリット>

文章だけで、すべてを構成しなければなりませんので、文章力が問われます。

 

定量

<メリット>

 方程式にあてはめて、スパッと結果がでてくるので、楽といったら楽

<デメリット>

当然、統計知識はいるし、専用ソフトを使いこなさないといけないので、

ちょっと面倒。

 

じゃあ、どちらが難しいかといえば、

明らかに定性だけで論文を書く方が難しいです。

 

なので、できれば定量となるように設計できるとよいですが、

定性でしかできないものもあります。

 

その場合には、文章構成で四苦八苦すると思うので、覚悟しておきましょう。